皆様こんにちは!ロマです!
こんにちは!ロマ子です!今日は何について勉強していくのかな?
今日は『介護施設のICT化』についてです!
そうなんですね!最近よく出てくる話ですから、気になります!
では一緒に勉強していきましょう!
近年、介護業界においてもICTの導入に積極的な事業所が増加しています。書類作成や電話・口頭での連絡が多い介護業界では、ICT化が今後の経営に大きな影響を与える重要な要素となります。では、ICTを活用することで現場にどのような変化が生まれるのでしょうか。メリット・デメリット、ICT導入の成功事例、失敗しない導入方法について解説します。
1. そもそもICTとは?
ICTは「Information and Communication Technology」の略で、「情報通信技術」と日本語に訳されます。ITに「Communication」が含まれているように、ICTは情報処理だけでなく、ネットワーク通信を通じた情報や知識の共有も意味します。
☆IoTやITとの違い
IoTやITは似た意味を持つ言葉ですが、ICTとは異なります。
・ITとICTの違い
ITは「Information Technology」の略で、「情報技術」と訳されます。ITとICTはほぼ同義ですが、ITは「技術そのもの」を、ICTは「情報通信技術の使用法」を指すと考えると理解しやすいです。
・IoTとICTの違い
IoTは「Internet of Things」の略で、「モノのインターネット」と訳されます。IoTは「あらゆるモノがインターネットに接続される技術や状態」を、ICTは「人とインターネットを繋ぐことで人同士を繋ぐ技術」と捉えると良いでしょう。
2. 介護事業所のICT化の背景
人材不足が主な要因です。総務省統計局のデータによると、総人口が減少する一方で、65歳以上の高齢者数は増加傾向にあります。2018年には高齢者人口が全人口の28.1%を占めていましたが、2040年には約3人に1人が高齢者になると予測されています。
通常、高齢者の割合が全人口の7%を超えると「高齢化社会」と呼ばれ、21%を超えると「超高齢社会」とされます。日本は既に「超高齢社会」に突入しており、高齢化はさらに進むことが予想されます。高齢者の増加に伴い、介護が必要な人も増えていますが、総人口の減少により労働力は減少しており、介護人材の不足が問題となっています。この人材不足を解消するためには、人材の確保と業務の生産性向上が必要であり、ICT化がその有効な手段となります。
2021年には厚生労働省が「令和3年度介護報酬改定の主な事項」を発表し、ICTの利用が推奨されました。国としてもICT化を推進する方針です。
3. ICT化のメリットとデメリット
☆ICT化のメリット
・業務効率化を実現できる
最大の利点は、事務作業を効率化し、介護スタッフの負担を軽減することです。事務作業時間を短縮すれば、介護サービスにもっと時間を割くことができます。例えば、介護スタッフがサービス内容や利用者の状態を紙に記録した場合、後でExcelや他のシステムに再入力する必要があり、非効率です。訪問サービスでは、訪問後に記録のためだけにオフィスに戻る必要があります。しかし、ICTを活用してスマートフォンやタブレットで入力できる記録システムを導入すれば、一度の入力で済み、訪問後に直接自宅に帰ることも可能です。
さらに、見守りシステムを導入することで、利用者の呼吸数、心拍数、睡眠の深さ、状態の変化を把握し、夜間の巡回回数を減らし、介護スタッフの負担を軽減できます。
・情報の連携がしやすい
介護施設、病院、訪問介護事業所などの情報連携の容易さは大きな利点です。
在宅介護サービスを受けている方が体調を崩し、一時的に病院に入院し、退院後に訪問診療や訪問看護を利用し、定期的に短期入所サービスを併用することはよくあります。この際、各機関間で情報共有が必要ですが、紙媒体でのデータ管理では、印刷した文書を郵送したり、FAXを送ったりする必要があり、情報共有のプロセスが複雑になります。また、電話での連絡や確認も行われます。例えば、利用者がデイサービスやショートステイを利用する際に、ケアマネージャーが施設に電話で空き状況を確認することもあります。ICT化が進んでいないと、これらの確認や連絡作業に多くの時間が費やされます。
ICT化を推進し、関係者全員が同じ情報を閲覧できる介護システムのプラットフォームを導入すれば、患者や利用者の情報をリアルタイムで共有できるようになります。デイサービスやショートステイの空き状況をデータベース化すれば、電話での確認が不要になり、各機関との連携がスムーズに行えます。特に、同一法人内に複数の事業所がある場合、情報共有の頻度が高いため、ICT化のメリットはさらに大きくなります。
・データ活用による質の向上
ICTを活用し、データを有効に使うことで、介護サービスの質は向上可能です。医療・介護分野では、患者様や利用者様に関する情報が各所に蓄積されています。紙媒体での情報管理は一時的な利用に留まることもありますが、これらの情報を関連データと結びつけて分析することで、サービスの質を多角的に向上させることができます。
さらに、IoTやAIの進展により、データの収集が容易になっています。例えば、データ送信機能を備えた体温計や血圧計、体重計を使用すれば、訪問サービスの職員がいない時間でも、利用者様の情報を収集できます。データ分析を可能にする新技術も進化しており、今後はデータの取得と活用がさらに容易になるでしょう。
☆ICT化のデメリット
ICT化のデメリットは下記のとおりです。
・介護職員への教育が必要
ICT機器の導入に際しては、それを操作する介護職員への教育が不可欠ですパソコン、タブレットに不慣れな職員にとって、ICT化は抵抗を感じることが多く、新しいデバイスの操作を学ぶことは大きなストレスになり得ます。したがって、基礎から丁寧に教育することが重要です。
・導入コストが高い
ICT化はコストが伴います。ICT機器の導入に先立ち、インターネット環境の整備とパソコン、スマートフォン、タブレットの準備が必要で、初期費用は避けられない高さです。しかし、最近では、都道府県や自治体が介護事業所のICT利用を促進するために補助金を提供するICT導入支援事業を行っています。これらの制度を利用することで、コストを抑制しながらICT化を進めることが可能です。
※「ICT導入支援事業」とは?
介護事業所の業務効率化を目的として、介護ソフトウェアやタブレット端末などの導入費用を支援する事業です。対象となる機器には介護ソフト、タブレット端末、スマートフォン、インカム、クラウドサービス、他事業者からの紹介経費、Wi-Fi機器の購入設置、バックオフィスソフト(勤怠管理、シフト管理など)が含まれます。これらの機器を適切に活用することで、業務効率化と職員の負担軽減が期待されます。補助上限額は事業所の規模に応じて設定されており、令和2年度の補正予算案では、職員が1~10人の事業所は100万円、31人以上の事業所は260万円とされています。
4. まとめ
ICTの導入により、介護業務は大きく変化します。例えば、記録業務のICT化により、訪問介護職員は訪問先から直接記録を行うことが可能になり、事業所へ戻って記録する手間が省けます。また、介護施設では、ケアの最中にも食事や排せつの状況、バイタルを記録できるようになります。見守りシステムの導入によっては、夜間の効率的な見守りが可能になり、排せつ予測デバイスの活用によっては、適切なタイミングでの介助が実現します。さらに、ICTを利用することで職員間のコミュニケーションや情報共有が促進され、介護施設の稼働率向上にも寄与します。
しかしながら、ICT導入の成功には、現場の介護職員が活用を推進する人材の確保が重要です。また、他事業所の成功事例を参考にすることも有効です。ICTを活用することで、事務作業の削減だけでなく、介護サービスの品質向上や他事業所との連携強化など、多面的なメリットが得られます。そのため、事業所の目的に合わせたICT機器の導入が推奨されています。