皆さんこんにちは!ロマです!
こんにちは!ロマ子です!今日は何について勉強していくのかな?
今日は『弄便』についてです!
とても気になりますね!考えるいい機会ですね!
では皆さんで一緒に勉強しましょう!
認知症の高齢者を介護している家族や介護職員が直面する問題の一つに**「弄便(ろうべん)」**という行為があります。弄便とは、便を手で触ったり、衣服や家具、壁などに便をこすりつけてしまう行動です。この行為は1日に何度も繰り返されることがあり、家族にとって大きなストレスとなるだけでなく、掃除や衛生管理も非常に困難になります。
今回は、弄便の原因や対策、予防法について詳しくご紹介します。認知症のケアにおいて、この行動を少しでも軽減するための具体的な方法を知っておくことは、介護をする側にとっても非常に役立つ情報です。
1. 弄便とは?
弄便(ろうべん)とは、認知症の高齢者に見られる行動の一つで、便を手で触ったり、衣服や壁などに便をこすりつける行為を指します。認知症の進行により、排便を正しく認識できなくなり、このような行動が引き起こされます。
場合によっては、便を食べ物と誤認し口に入れてしまうこともあります。この行為は、家族や介護職員にとって非常にショックなものですし、1日に何度も掃除をしなければならず、精神的な負担も大きくなります。
ただし、弄便は本人が意図的に行っているわけではなく、認知症による行動であるため、叱ったり責めたりすることは逆効果です。むしろ、症状が悪化する恐れがあるため、冷静に対応し、原因を理解することが重要です。
2. 弄便行為の原因
弄便行為が発生する原因は、さまざまな要因が絡み合っています。以下に、よく見られる原因を挙げてみます。
2.1. 便意の低下や喪失
加齢や認知症の進行に伴い、腸の機能や筋力が低下することで、便意が鈍くなります。その結果、本人は排便の感覚がなく、トイレに行くタイミングを逃してしまうことが増えます。失禁が多くなると、便が不快に感じられ、それを取り除こうとして弄便が発生することがあります。
2.2. おむつ内の不快感
おむつ内での排泄に気づかず、便が長時間おむつの中にあると蒸れや皮膚の刺激が原因で不快感を覚えることがあります。この違和感や不快感を取り除くために、本人が自分でおむつの中に手を入れ、便を触ることがあります。
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2.3. 自分で片付けようとする
認知症の方は、排便が不潔なものであることは認識しているものの、どう処理すれば良いか分からないため、自分なりに片付けようとすることがあります。しかし、その結果として便を弄ってしまい、汚れが広がることになります。
2.4. 便を認識できない
認知症が進行すると、便が何であるか正しく認識できなくなることがあります。便を食べ物と勘違いしてしまうケースもあり、便を丸めて口に運ぶ行為も見られることがあります。また、大切なものとして扱い、便を包んで隠してしまうケースもあります。
2.5. 失禁への羞恥心
失禁してしまったことに対する羞恥心から、便を隠そうとする場合もあります。自分で処理できない状況にパニックを感じ、便を家具や衣服の中に隠そうとする行動につながることがあります。
3. 弄便を見つけたときの対応
弄便行為を発見した際、介護者や家族は衝撃を受けることが多いです。しかし、適切な対応を行うことで、認知症の方の自尊心を守りつつ、行動を軽減できることもあります。以下の対応策を覚えておきましょう。
3.1. 叱らずに手や体の汚れを拭き取る
弄便を見つけた際に、感情的になって叱ったり責めたりするのは避けましょう。本人はなぜ怒られているのか理解できず、叱られる恐怖感だけが残ります。冷静に手や体を優しく拭いてあげ、汚れを取り除くことが第一です。
3.2. 入浴や清潔な環境を提供する
弄便の原因の一つは、おむつ内での不快感です。不快感を解消するために、優しく声をかけてお風呂や洗面所に誘導し、清潔な状態に整えてあげましょう。入浴拒否が見られる場合は、穏やかに「キレイにしましょうね」などと声をかけ、無理のない範囲で対応します。
3.3. 汚れやすい場所の保護や掃除対策
弄便が繰り返される場合、部屋の環境を工夫して掃除しやすくすることも重要です。例えば、ベッドや壁に防水シートを敷いたり、家具にビニールカバーをかけることで、汚れが広がらないように対策を講じましょう。
4. 弄便の予防法と改善策
弄便行為は本人の意図ではなく認知症の症状の一部ですが、予防や改善策を講じることで、症状を緩和することができます。以下に、具体的な予防法と改善策を挙げます。
4.1. 自然な排便を促す
腸の働きを活性化させることが、便秘や便意の鈍化を防ぐ鍵となります。また、トイレへの誘導を積極的に行い、できるだけトイレで排泄する習慣をつけることも有効です。さらに、ストレッチや軽い運動を取り入れることで、腸の動きを促進し、排便を自然な形で促すことができます。
下剤の使用は極力避け、便意を自然に促す方法を取り入れることで、弄便行為を減らすことが期待できます。
4.2. おむつ交換の頻度を上げる
おむつ内の不快感が弄便行為の引き金となることが多いため、こまめにおむつを交換し、便が長時間おむつ内に残らないようにすることが大切です。認知症の高齢者は、便意を感じづらいため、排便のタイミングに気づかないことがよくあります。家族や介護者がソワソワしたり、落ち着きのない行動を見逃さずに、トイレやおむつ交換のタイミングを図りましょう。
特に、便秘が解消された後はすぐにおむつを交換するなどして、排便後の不快感を減らすことが弄便行為の予防につながります。
4.3. 手や皮膚のケア
弄便行為が繰り返される場合、皮膚への負担も無視できません。便による皮膚の炎症や傷を防ぐため、手やお尻の皮膚を定期的にケアしましょう。特にお尻や肛門まわりの皮膚が敏感なため、ワセリンなどの保湿クリームを使って便の拭き取りをスムーズにし、皮膚の保護を行います。これにより、排便後の拭き取り作業が楽になり、皮膚トラブルも減らせます。
4.4. 環境づくり
弄便行為が頻繁に行われる場合、掃除しやすい環境を整えることがストレス軽減に大きく寄与します。防水シーツをベッドに敷いたり、壁には剥がしやすいビニール製のシートを貼ることで、便による汚れが家具や壁に付着しにくくなります。また、掃除用具や消臭剤をすぐに取り出せる場所に置いておくと、後片付けがスムーズです。
在宅での介護で部屋が畳の場合、汚れが畳の目に入り込むのを防ぐために、拭き取りやすいフローリングカーペットなどを敷くと良いでしょう。掃除がしやすい環境にすることで、介護者の負担を減らし、弄便行為に対するストレスを軽減できます。
4.5. 便から注意を逸らす工夫
注意を他に逸らすことも効果的な方法です。認知症の方が便に意識を向けないように、音楽をかけたり、花を飾ったり、簡単な作業をお願いしたりすることで、便への興味を薄れさせることができます。特に、指先を使うような遊びや作業を提供することで、弄便行為に手を使う代わりに、他の活動に手を向けさせることができます。
4.6. 視覚や嗅覚に配慮する
視力や嗅覚が低下している認知症の方は、便を正しく認識できないことが原因で弄便行為をしてしまうことがあります。メガネをかけることで、便だと認識できるようにし、便を触らないようにすることが一つの対策です。また、便の臭いに気づかず口に運んでしまうことを防ぐために、マスクを使うことも考えられます。
4.7. 専門家への相談
弄便行為がどうしても改善されない場合は、専門家に相談することが大切です。ケアマネージャーやかかりつけ医に相談し、排便コントロールのための適切な対策を一緒に考えましょう。特に、介護負担が大きい場合、家族だけでの対応には限界があるため、介護保険サービスを利用してデイサービスやショートステイを活用することも有効です。
5. まとめ
弄便(ろうべん)は、認知症の高齢者に見られる問題行動の一つであり、家族や介護職員にとって大きなストレスとなることがあります。しかし、この行動は認知症によるものであり、本人の意思とは無関係です。適切な対応策を取ることで、弄便行為を減らし、介護者の負担を軽減することができます。
予防や改善には、自然な排便を促すことや、おむつ交換の頻度を上げることが重要です。また、手や皮膚のケアや環境整備、そして便から注意を逸らす工夫など、さまざまな対策を組み合わせることで、弄便行為の発生頻度を抑えることが可能です。
もし状況が改善しない場合や、介護が負担になっている場合は、ケアマネージャーや医師に相談し、専門的なサポートを受けることも検討してみましょう。適切なケアを行うことで、家族全員が少しでも快適に過ごせる環境を整えることができます。