皆様こんにちは!ロマです!
こんにちは!ロマ子です!今日は何について勉強していくのかな?
今日は『特養における看取り介護』についてです!
昨日は加算について勉強しましたからね!
では一緒に勉強していきましょう!
特別養護老人ホーム(特養)は原則として終身利用可能な施設です。そのため、多くの方が看取り期や終末期の対応について関心を持っています。本記事では、特養での看取りが可能か、病院での看取りとの違い、及び看取り介護で提供されるケアの内容について説明します。
1. 特養で看取り介護は出来るの?
結論から言うと、特養では多くの施設で看取りが可能です。
そもそも看取りとは、無理な延命治療を行わず、自然な最期を迎えられるまでの過程を見守ることです。本人や家族の意向に沿って、最期まで尊厳を保てるようにサポートします。
たとえば、死を避けられない方に対し、栄養を胃に流し込むなど生命を無理やり維持するための延命治療は行いません。反対に、身体的苦痛や精神的苦痛の緩和を目的としたケアが重要視されています。
・看取りのニーズ
特別養護老人ホームなどの介護施設での看取りは、社会的背景を考慮しても重要です。
日本では高齢化が進むにつれて、死亡者数が増加しています。厚生労働省の予測によると、死亡者数は年々増え続け、1989年の約79万人から2040年には2倍以上の約168万人に達するとされています。
「多死社会」の到来により、現在の医療・介護体制では対応が追いつかない状況です。現在、約8割の人が病院で亡くなっていますが、病床不足により、将来的には病院以外で亡くなる人が増えると考えられます。
また、一人暮らしの高齢者の増加により、自宅で家族による介護を受けながら亡くなる人は少なくなっています。
このため、特別養護老人ホームなどの介護施設での看取りニーズは、今後さらに高まると予測されています。社会的な状況を鑑みると、看取り介護の重要性は増していると言えます。
2. 特養と病院における看取りの違い
特別養護老人ホームと病院の主な違いは、医師が常勤しているかどうかです。医師の常勤の有無は、看取り期間の医療措置や死亡確認の手続きに影響を及ぼします。
・医療措置はすぐにできない
特別養護老人ホームでは、医師が常駐していないため、すぐに医療措置を行うことはできません。介護士や看護師が24時間体制で巡回し、バイタルチェックや痛みを和らげるマッサージを提供して対応します。
苦痛を最小限に抑え、尊厳を守りつつ、自然な形で人生の最終段階を迎えられるよう支援します。
病院では、医師が常駐しているため、痛みを緩和するための処置や点滴などの医療措置を含むターミナルケアを提供します。
・死亡確認はすぐに行われない
特別養護老人ホームでは医師が常駐していないため、死亡確認が即座には行われません。医師がすぐに来られない場合もあり、夜間に呼吸が停止した際は、翌朝に死亡確認をすることがあります。また、家族の要望により、夜間ではなく朝に死亡確認を行う施設も存在します。
各施設では、医師の勤務体制や家族の希望に応じて柔軟に対応しています。
一方で、病院では医師が24時間体制で勤務しているため、呼吸が停止した場合は直ちに死亡確認が可能です。
3. 特養の看取り介護で行われるケア
特養の看取り介護で行われるケアは下記の通りです。
・精神的なケア
・身体へのケア
・家族へのケア
・入居者の精神的なケア
看取り介護が必要になると、死や病気の痛みによる恐怖や不安で精神的に不安定になる人は少なくありません。孤独感を抱えることもあるため、精神的ケアの重要性は非常に高いです。
多職種の看護師や介護士が協力し、できる限り患者のそばにいて、傾聴や声かけ、スキンシップによる精神的ケアを提供します。
職員は患者の悩みや願いを聞き、安心して人生の最終段階を迎えられるよう支援します。顔見知りの職員との交流は、苦痛や不安、孤独感を和らげます。
具体的なケアには以下のようなものがあります:
・痛みを和らげるために身体をさすります
・コミュニケーションを取ります
・入居者が安心して過ごせる環境を整えます
精神的ケアでは、日常のコミュニケーションが特に重要です。看取り介護では、個人の「その人らしさ」に合った最期を迎える支援が重視されます。
「その人らしさ」を理解するためには、入居者とのコミュニケーションを通じて、その人の生活様式や習慣、好みを知ることが大切です。
特別養護老人ホームに入居する前の生活スタイルや会話の内容を家族から聞き取り、ケアプランに反映させる工夫をする施設もあります。
・入居者の身体へのケア
特別養護老人ホームの入居対象者は、原則として要介護3以上の認定を受けた方です。入居時には、日常生活で高度なケアが必要な方が多いです。
終末期の介護が必要になると、入居者の介護度はさらに高まります。
看護師や介護職員は、入居者の尊厳を保ちながら、その意向を尊重して身体ケアを提供しています。
具体的なケアには以下のものがあります。
・バイタルサインのチェック
・水分と栄養の摂取
・入浴や排泄の支援
・褥瘡予防のための体位変換
・口腔衛生の維持
・室温や照明の調整を含む生活環境の管理
食事、排泄、入浴、生活環境の管理など、日常生活の基本的なケアは、人としての尊厳を最後まで保つために非常に重要です。これらはまた、肺炎、脱水、感染症、褥瘡などの予防にも寄与します。
終末期介護では、これらのリスクを予防し、穏やかな最期を迎えるためのケアが重要です。施設では、入居者が快適に過ごせるよう十分な配慮をしています。
・入居者の家族へのケア
看取り介護では、入居者だけでなく家族への精神的ケアも重要とされています。入居者の死が近づくと、家族も不安やストレスを感じることが多くなります。職員は慰めの言葉をかけ、家族の気持ちに寄り添うことを心がけています。
特別養護老人ホームでは、看取りを支える家族が安心して過ごせるように、以下のケアを提供しています。
・家族の感情に共感する
・家族が相談しやすい環境を整える
・入居者の死後の心のケア
職員は日頃から家族が気軽に相談できるように声をかけ、不安を軽減する努力をしています。
入居者の部屋には、家族と職員がコミュニケーションを取るためのノートを置く施設もあります。
また、入居者の現在の状況や今後の病状の予測、死を迎える際の兆候について、事前に説明を受けることは心の準備に役立ちます。
死期が近づくと、食事量が減少したり、睡眠時間が増えたり、手足が冷えたりするなどの兆候が見られます。これらが自然な経過であることを理解していれば、不安を軽減できます。
両親や配偶者など大切な家族を失った後、残された家族は深い悲しみに直面します。職員はそうした感情に共感し、家族に寄り添うケアを提供しています。
4. 看取りができる特養の選び方
看取り介護の体制や環境は施設ごとに異なるため、特別養護老人ホームでの看取りを希望する際は、入居前に以下の点を確認することが重要です。
・看護師の配置が充実している
・医療機関との連携がある
・入居者と家族が安心して過ごせる環境が整っている
・施設内で職員間の連携がしっかりと取れている
・看取りに関する豊富な実績がある
・看護師の配置が充実している
特別養護老人ホームには看護職員の配置が義務付けられており、看護師が多く配置されていると安心できます。
個々の状態に合わせた看取り介護を実施するには、医師、看護師、介護職員など多くの職種間での連携が不可欠です。看護師は特に中心的な役割を果たし、身体的および精神的苦痛を軽減し、穏やかな終末期を迎えるための支援を提供します。
看護師が24時間体制で在籍しているとさらに安心ですが、夜間や深夜に常勤または当直の看護師がいる施設はわずか全施設で2.5%にとどまっています。多くの特別養護老人ホームでは、夜間の看護はオンコールで対応し、必要に応じて駆けつける体制を取っています。
施設によって看護体制が異なるため、夜間や緊急時の対応については、事前に施設に確認することが推奨されます。
・医療機関との連携がある
特別養護老人ホームでは、医師の配置基準は必要数とされており、実際には常勤医師が0.6%、非常勤医師が93.6%を占めています。また、緊急時に配置医師が対応できない場合、代替の訪問医師がいる施設は50.4%にとどまります。
看取りの際には病院との連携が不可欠であり、特別養護老人ホームには予め協力病院を定める運営基準が設けられています。実際に、特別養護老人ホームは平均で1.8箇所の医療機関と協力関係にあります。
緊急時の医療機関や配置医師の対応能力、体制を事前に確認しておくことで、安心に繋がるでしょう。
・入居者と家族が安心して過ごせる環境が整っている
入居者の状態が悪化したり、人生の最終段階にあるときは、家族がそばで支えることが増えます。そのため、家族が入居者と一緒に安心して過ごせる環境を提供することが重要です。
ユニット型個室や従来型個室はプライベートな空間を提供し、多床室でも静養室が利用できればプライバシーは守られます。家族が宿泊可能な施設も存在します。
さらに、故人のエンゼルケアを行うための落ち着いた環境を備えた施設では、故人を穏やかに見送ることができます。
・施設内で職員間の連携がしっかりと取れている
看取り介護は施設全体の協力によって行われます。入居者の状態やケア方法、注意点などの情報が共有されることで、職員の対応が統一され、個々の入居者に適したケアが提供されます。
入居前には、施設見学時に質問を行い、看取り介護の対応はもちろんのこと、体制や情報共有の方法についても確認しておくことが重要です。
・看取りに関する豊富な実績がある
特別養護老人ホームでの看取りを希望する場合、実績のある施設を選ぶことが安心につながります。看取り経験が豊富な施設には、専門的な知識と技術を持った介護職員や看護職員が在籍しています。
死期が迫ると、様々なサインが見られます。職員は意識の変化、呼吸や血圧の変動に細心の注意を払い、入居者の状態を正確に把握し、適切に対応する必要があります。
看取り介護において豊富な実績を持つ特養施設であれば、ケアを安心して委ねることができます。施設を選ぶ際には、過去1年間の看取りの件数や、看取りのプロセスを確認すると良いでしょう。
5. 看取り介護でかかる費用は?
特養で看取りをする場合には、看取り介護加算が発生します。
看取り介護加算は、医師から回復の見込みがないと診断された入居者に対し、多職種が連携して看取りケアを行ったときに加算される介護報酬です。
看取り介護加算には「看取り介護加算(Ⅰ)」と「看取り介護加算(Ⅱ)」があります。通常の利用料金に比べて若干費用が発生しますのでご注意ください。
詳しくは過去記事をご覧ください!参考になれば幸いです!
6. まとめ
特別養護老人ホームでは、入居者とその家族が最後まで安心して過ごせるよう、身体的および精神的苦痛を軽減する看取りケアを提供しています。
病院と異なり、医師が常駐していないため、即時の医療措置は行えません。
施設での看取りを望む場合は、入居前に看取りケアの方針、看護・医療体制、職員の連携方法、施設の環境を確認することが重要です。
ご本人やご家族が納得できる看取りが行われるよう、希望に沿った施設選びをお勧めします。