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身体拘束廃止に向けた取り組みについて!なぜダメなのか!?

皆様こんにちは!今日もいそいそと働いております!

こんにちは!今日は何について勉強していくのかな?

今日は『身体拘束廃止について』です!

身体拘束ですね!介護施設においては非常に大事なことですね!

では、さっそく勉強していきましょう!

 

☆目次☆

 

 

1. 3つのポイント

介護施設において身体拘束は原則禁止である

・行為自体ではなく、その目的により身体拘束であるかどうか決まる

・やむを得ず身体拘束を行う場合は、実施前に代替案について議論を尽くさなければならないこと

 

なるほど。このポイントを今日は頭に入れて勉強していけばいいんだね!

そうだね!非常に大切なことだからしっかりと頭に入れておきましょう!

 

2.身体拘束について家族の声

アルツハイマーの父について「点滴をはずしたら困るから両手を縛ってもいいでしょうか」と医師に言われ,そうしたかわいそうだ」と言ってナースの1人が自由にしたとき、重ねて縛られていた両手をさすっている父の姿を見て,思わず泣いてしまった。

 

②私の父は,夫婦部屋に入ったにもかかわらず、4年前に徘徊したばかりに別々にさせられ、何もない4人部屋で立ち上がり防止の車椅子の腰ベルトをさせられた。家族が訪ねても職員が「いいですよ」と言わない限り、母のところへ連れていくことも出来ず、泣く泣く帰ったことがあった。

 

③つなぎ服については、私も同じことをした経験があり、介護の手段の一つとして選ばざるを得なかったが、亡くなった今は窮屈だったろうと自責の念が残っている。

 

④入院当初、家に帰りたがる為に、入口に施錠し、薬でおとなしくさせることがあった。病院に入れて病人をひどくさせたようで後悔したが、こちらから入院を頼んだという事情もあり、病院のやり方が不満でも致し方がなかった。

 

⑤「治療の為」というが、そればかりとは思えない。病院の職員はそれが当然のごとく振る舞い、できれば取り外してあげようという態度は見られない。また,点滴なども取り外せないような位置を真剣に考えれば、工夫できると思う。

 

これは私が実際にご利用者様の家族や相談を受けた際に聞いた話です!

やっぱり結構こうゆう風に思っている方は多いんだね・・・。

そうだね、だからこそ私たちは身体拘束って何かについて理解を深めないといけないね!

そうだね!知らないうちにやってしまっていたってことがないように勉強しよう!

 

3.身体拘束の具体例

①徘徊しないように、車椅子や椅子、ベッドに体幹や四肢を紐等で縛る。

②転落しないように、ベッドに体幹や四肢を紐等で縛る。

③自分で降りられないように、ベッドを柵(四点柵)で囲む。

④点滴,経管栄養のチューブを抜かないように、四肢を紐等で縛る。

⑤点滴,経管栄養のチューブを抜かないように、または皮膚をかきむしらないように、手指の機能を制限するミトン型の手袋を等をつける。

⑥車椅子や椅子からずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型拘束帯や腰ベルト、車椅子テーブルをつける。

⑦立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるような椅子を使う。

⑧脱衣やオムツ外しを制限するために,つなぎ服を着せる。

⑨行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。

⑩自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。

具体的な例を挙げると、以上のようなものが出てきます。では一体何が身体拘束にあたるのかを今一度確認してみましょう。

 

3-1何が身体拘束にあたるのか?

《大前提:行為そのものが問題ではありません!

何度も言う様で申し訳ありませんが重要なことなので繰り返しました。

 

身体拘束は・・・

利用者の意思・選択などの尊厳や基本的な人権を無視して他者が利用者に身体的・精神的制限又は抑制することである。

 

つまり・・・

利用者の行動を介護者が意図して制限した場合、それらすべてが身体拘束に該当する。

 

したがって・・・

対応方法ではなく、その対応目的により当否が左右される。

 

3-2 なぜ身体拘束を行ってはいけないのか

介護保険法 基準省令》

特別養護老人ホームは、入所者の処遇にあたっては、当該入所者又は他の入所者等の生命または身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束等を行ってはならない。

このように明記されています。

介護保険法でしっかりと明記されているんだね!

そうだね!でもやむを得ない時ってどんな時かな?

ん~、ちょっと勉強してみよう!

 

☆やむを得ない時っていつ?

介護保険法 基準省令》

当該入所者(利用者)又は他の入所者(利用者)等の生命又は、身体を保護するため緊急やむを得ない場合には身体拘束が認められているが、これは『切迫性』『一時性』『非代替性』の3つの要件を満たし、かつこれらの要件の確認などを手続きが極めて慎重に実施されているケースに限られる。

 

 項目                 内容
切迫性 ご利用者本人、または他のご利用者などの生命・身体が危険にさらされる可能性が著しく高いこと
非代替性 身体拘束等の行動制限を行う以外に代替する介護方法がないこと
一時性 身体拘束等の行動制限が一時的なものであること

 

生命または身体に危険が及ぶことは多々あります。でも、むやみに意思のある行動を妨げてはいけません。

 

ん~、そうなると、いつならやってもいいのかな?

原則やっちゃダメがあるから難しいね・・・。

それについても聞いてみよう!

☆では、いつならやってもよいのかというと・・・

 

『意思を持って行動した目的が全く異なる結果として身体に危険を及ぼす場合であって、それを防ぐ手段が他にない場合のみ』

 

【事例↓↓↓】

①車椅子から頻繁に立ち上がって転倒してしまう

 目的:歩いてトイレに行く

 結果:立位が取れないので転倒する

通常、歩いてトイレに行くという目的に対して、結果はトイレに行ったというものが発生すると思います。しかし、本来の目的及び結果とは違い、この事例の結果は立位が取れなくて転倒するという身体に危険を及ぼすものとなっています。24時間常時ご利用者の隣にいることは施設の現状難しいことを考えると、頻繁に立ち上がってしまって事例のようなことが起きてしまうとなかなか対応する事が難しくなってきます。

 

②胃瘻を触ってぬいてしまう

 目的:胃瘻の部分がかゆいので掻く

 結果:強く掻くので胃瘻がぬける

この事例も、胃瘻の部分がかゆいから掻くという目的に対して通常の結果として痒い部分が掻けたとなるはずです。しかし、本来の目的及び結果とは違い、この事例の結果は強く掻いてしまい胃瘻部が抜けてしまうという結果が生じてしまっています。人間痒いところは搔いてしまいますし、すごく痒かったら強く掻くと思います。痒みを抑える薬等でも状況が変わらないようであればなかなか対応は難しいと思います。

 

③傷口を掻き壊して感染を起こしてしまう

 目的:傷口がかゆいのでちょっと掻く

 結果:強く掻くので傷口が治らず感染を起こす

この事例も、②の事例と似たような状況ですね。傷口部分がかゆいから掻くという目的に対して通常の結果として痒い部分が掻けたとなるはずです。私たちも経験があるとは思いますが、搔き壊してしまうことは往々にしてあります。際限なく掻いてしまうと感染症等発生する可能性は大いにあります。やはり痒みはなかなか止められるものでもないです。②と同じように内服薬や軟膏等改善が見られない場合は対応が難しくなってくる可能性があります。

 

4.身体拘束を行う前にケアの改善を!

上記の事例をみて、対応が難しいから『身体拘束』とすぐに決めつけるのはまだ早いです!身体拘束までの距離感をしっかりと把握する必要があります。問題行動や事故発生から身体拘束までの距離が遠ければ遠いほどいいです。

 

4-1 ケアの改善・工夫

個々の事例について、身体拘束を必要としないケアに向けた具体的な取り組みを行うためには、なぜ身体拘束が必要なのか、身体拘束につながる利用者の行動や状態がなぜ発生するのかを分析し、その人なりの理由や原因を徹底的に探り(=個別アセスメント)、取り除くことが必要です。

このため、日々の観察より気付いたことなどから、問題行動等の原因について話し合い(=カンファレンス)、個別分析に基づいて、その原因を取り除くためのケアの改善・工夫について検討する取り組みが必要なのです。

なるほど。日常生活をしっかりと観察し、よく皆で共有する事が大切だね!

そうね!自分だけ感じていること・ほかの人が感じていることがあるので一人だけでは気づけないことも多いから、みんなでしっかりと分析していくことが大切だね!

 

4-2ケアの改善・工夫のポイント

ここからは事例をもとに検証しましょう!

①ベッド柵(4つの柵で囲む)を行う前に・・・

◇夜間不眠,精神的に不安定

  ➬日中はベッドから離床するように促す

   日中の適度の活動による刺激を増やし、生活のリズムを整える 等

◇ベッドからの転落

  ➬ベッドの高さを低くする

   床に直接布団を敷く

   離床センサーを導入する

   筋力維持につながる運動を行う 等

 

②ミトン型手袋の着用を使用する前に・・・

◇各種チューブの抜去

  ➬チューブの形状や固定位置を工夫する

   (見えないようにする、手に触れないようにする)

   かぶれにくい固定テープを使用する

   点滴等の時間の調整を行う 等

◇皮膚のかゆみ

  ➬皮膚疾患の適切な治療を受ける

   皮膚の保湿に心掛ける

   肌触りのよい衣服を着用する

   こまめに爪を切る 等

 

③Y字型拘束帯(車椅子ベルト)を使用する前に・・・

◇車椅子の選択

  ➬長時間の座位でも疲労しない,利用者にあった車椅子を選択する

◇ずりおち

  ➬座面に滑り止めシート,クッションなどを使用する

   座面やフットサポートの形状を工夫する 等

◇立ち上がり

  ➬利用者に適した時間にトイレ誘導,おむつ交換を行う

   日中の過ごし場所を検討し,職員から見えやすい場所にいていただく等

 

向精神薬を使用する前に・・・

◇暴力行為等の問題行動

  ➬表情や行動,会話などを観察する。

   興奮時には否定的な会話はしない

   会話を傾聴し,興奮を助長しない

   スタッフの関わり方,態度や言葉遣いを見直す

   会話や散歩などの活動を通じて,他に関心を向ける

   行動パターンを把握して,精神的に不安定になる要因を  

   取り除く 等

 

4-3 ケアの改善・工夫の注意点

身体拘束の定義は、人の行動を意図をもって妨げることです。

身体拘束をしないためにとったそのケアの工夫自体が、人の意思を妨げるものではありませんか?

章かな身体拘束ではないからこのケアは大丈夫!なんて安心しないで、身体拘束の本質を念頭に議論を深めてください!

 

5.まとめ

 

何度も同じ話をして申し訳ありませんが、大切なことなのでもう一度書かせていただきました。この三つは必ず頭に入れて、利用者のケアに対してよりよいケアを実践していきましょう!

この三つは絶対頭に入れとこう!

そうね!しっかり頭に入れて今後の仕事に生かしていきたいね!

では今日はこれで終了!またね!

バイバ~イ!