介護キラリ☆ホット

皆様に役立つ介護情報を提供できればうれしいです!

特別養護老人ホームで働くということ ~生活と対人援助について~

こんにちは!今日もいそいそと働いております!

こんにちは!今日は何について勉強していくのかな?

今日は『特別養護老人ホームで働くということ』について話していくことが出来ればなと考えています!

そうなんだ!実際に働いているからそんなに考えたことないけど改めて考えるいい機会かもしれないのでしっかり勉強していきましょう!

 

☆目次☆

 

1.生活の場所としての特養

特別養護老人ホームに関わる人たち(介護職員等)によって、ご入居者様の生活そのすべてを支援する場所と捉えてください。

 

“特養は介護だけを提供する場所ではない。特養は一人の人間の『生きる』を支える場所である”

 

日常生活を送るうえでの支援の中で、身体的・精神的なハンディキャップにより必要とする支援の一つの手段として身体介護という行為が発生するだけのことです。

確かにそうなんだけど、それがなかなか大変なんだよね…。

そうだね。こう聞くと簡単に聞こえるよね。

もちろん、業務ボリュームとして食事・入浴・排泄等に代表される身体介護の比重が極めて高いことは事実です。しかしながら、特養という施設の性格上身体的・精神的なハンディキャップが重く、必然的に必要とする身体介護が多くなってきているという“結果”でしかありません。在宅サービスにおける訪問介護やデイサービスのような日常生活の一部分を支援するわけではなく、24時間365日の日常生活に関わること全て(=生きる)の支援を行わなければなりません。

 

“ご入居者様が生活するうえで必要な支援の中で、一般的に出来得ることはすべて介護職員の業務である”

 

介護職員は一番近くでご入居者様の生活を見て、支えています。法律に抵触する医療行為は出来ません。施設内の分業のルールもあるでしょうが、ご入居者様が不利益を被るようであれば時にはそれも超越して支援するべきでしょう。

 

そして、ご入居者様からの声、さらには声なき声も拾い集めて、ご入居者様の望むもの・こと、望むであろうもの・ことを実現し、あたりまえの日常生活を送るための支援を行うことで『生きる』を支えていきます。

 

 当然のことながら、介護技術をないがしろにしているわけではなく、特養で働く上で業務の大部分を占める身体介護の技術は磨き上げていって下さい。

 

“『生きる』を支えることは、人生のコーディネートである”

 

 『生きる』の延長線上には当然のごとく『死』が存在します。特別養護老人ホームの存在意義からして、ご入居者様がここで生活しているのは人生の最期の時までです。最期の時までどのようにあたりまえの日常を獲得し、継続していけるかを考え、人生の最終ステージのコーディネートを行い、その中で介護技術・対人援助技術を駆使して最期まで生活を共にしていくのが特別養護老人ホームの介護職員であると考えます。

こういうのを聞くと、今している仕事がしっかりできているのかどうか心配になるね。

そうだね。でも、だからこそ、そのご入居者様の人生に携わっている自覚をもってこれからは働けるんじゃない?

うん!もっと仕事に真剣に向き合ってみるよ!

 

 

2.特養の中での対人援助

介護職は対人援助職です。対人援助という仕事は、援助する対象者に敬意を払い、幸せにするために存在する仕事です。

 

“人間と向き合う仕事であるがゆえに、マニュアルだけでは対応できない”

 

相手は人間です。しかも前述の通り身体的・精神的なハンディキャップを有する人間です。加えて、何らかの疾病を抱えている方がほとんどです。日々生活の状況には変化が生じていくことを認識し、その変化が千差万別であることを強く認識して向き合いましょう。

 

そして、人間には、ご入居者様には“感情”があります。表出しているもの、あるいはそうでないものも。ご入居者様同様にそのご家族様にも同じく感情があります。これらが複雑に絡み合うことも多くあります。

ご入居者様自身の現状に対する受け止めや“悲しみ”、支援をされる側としての“不安”、“期待”や“希望”、あるいは“感謝”といった感情があるからこそ、ご入居者様を尊重していかなければなりません。

 

“感情を持つご入居者様に対して、『作業』ではなく『感情を込めた行為』で対応する”

 

“物”には流れ作業で効率が求められます。限られた人員配置の中で業務を行わなければならない特養も同じく効率が求められますが、それが作業としてではなく明確な意図をもって感情を込めた行為として支援を行い、ご入居者様の状態や感情に則して臨機応変に対応していくことが必要です。

したがって、決められたマニュアルだけではなく、観察眼と想像力・創造力をもって対応していくことが求められてくるのです。

 

“職業としての介護をする人 である前に、一人の人間として一人の人間の『生きる』を支える“

 

 流れ作業を行っていても、なんとなく決められたマニュアルやタイムテーブルになぞって業務をしているだけでもそれなりに給料はもらえますし、逆に熱意をもって流れ作業を脱却しても、ご入居者様の生活を豊かにするための特別な何かをしていてもそれほど給料は変わりません。

 また、就業の動機が生計維持のための手段として手軽である(介護業界自体の参入ハードルが低い・近隣で働きやすい等)ことから選択している方もいるでしょう。あるいは人に勧められたから等も。

 このような事実等から、 “仕事”を出発点にするとどうしても視野が狭くなってきます。でも、今の想いがどうであっても、入口がどうであっても、皆さんがいる特別養護老人ホームとは生活を支える場所なのですから、まずは一人の人間としてご入居者様を、その生活を見つめてください。

 そして、援助を行う側(介護職員等)にも当然のごとく感情があります。突き詰めていくと、一人の人間を支えることとは結局のところ、“仕事”や“業務”といったものを超えた、

 

“一人の人間としてのやさしさ”

 

それから、それに付随する気配りや思いやりといった感情が大部分を占めるのであろうと考えています。 ですから、ここを出発点として、そこに蓄えた知見・磨き上げた介護技術を発揮していくことで生活を豊かにしていく支援をして、『生きる』を支えてほしいと願っています。

やさしさかー。今日は色々考えさせられますね。

そうだね。でも少なからず皆も心の中にはあるものじゃないのかな?

そうだね。仕事でストレスもかなりたまるからなー。

ストレスコントロールがなかなか難しいけども、今一度考えてみましょう!

うん!頑張ってみよう!

 

3.最後に…

 

“介護は誰でも出来る仕事ではない”

 

 介護は業務独占ではなく資格も必要ありません。求人倍率も極端に低く仕事を始めるにはハードルが低い職種です。でもこれだけはわかってほしいことです。この想いは後付けでも構いませんから。

 

“人を想うことなくして本当の意味での介護は成り立たない”